ともみの部屋

仕事をしながら世界を旅する私の8ヶ月間

その場所でだけ、奏でられる音がすき。【チャングー・バリ】

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その場所でだけ、奏でられる音がすきだ。風の音、海の音、暮らしの音、階段を駆け上がる音、歌う声。いろいろあると思うけれど、バリ・チャングーエリアのそれは、トン、トン、トトンという、新しい建物ができていく音だった。

 
私の部屋は2階だけれど、彼らも2階部分を作っているようで、目が合う、まではいかないけれど目線の高さは同じなようだ。オレンジ色のTシャツを着た男性が、ひとり3階部分に建って作業を進めていた。まだ屋根がかけられていないその場所に建つひとは、私の部屋の窓枠から、ともすれば宙に浮いているかのように見えたりもする。
 
バリのチャングー(canggu)エリアは、静かな場所だった。海が近く、サーファーが集まる場所。欧米人に人気があり、ベジタリアンやオーガニック思考、ヨガを愛するひとや、スローフードを志すひとたちが多く集う場所。クタ・レギャン・スミニャックエリアが、すでに開発しつくされた観光地になってしまった……という言葉を借りるならば、ここチャングーエリアは、一昔前のバリの雰囲気とリズムが体感できる場所だといえる。近年は、豪華なヴィラやおしゃれなカフェ、ヨガスタジオやクラブが点在する注目の場所になりつつあるとも言われ始めた。
 
……という前評判は間違っていなかったようだな、と実際にこの場所にきてみて思う。事実、私がAirbnbで宿泊しているこの施設のホストはバリ在住6年目のフランス人女性だったし、道行くひとの8割方は私の目から見ればいわゆる全員「欧米人」だった。ほんとうのところは、ひとは見た目ではまったく判断がつかないので、聞いてみないと分からないけれど。
 
ト・ト・トン、トトトトットトン(トがゲシュタルト崩壊しそうだ)。こうやって文章を書いている間も、彼らは音を奏でていた。ねぇ遊んでいるの、と聞いてみたくなるくらいに、彼らの手元はリズミカルだ。音楽を聞いているみたい。音楽は、別に部屋の中でかけているけれど。今日のBGMはちなみに鈴木絵美里さんに教えてもらった「Thelonious Monk - Dinah (Solo Monk)」。
 
 
今日は何をしよう。