ともみの部屋

仕事をしながら世界を旅する私の8ヶ月間

朝起きたら、まずは陽子とYumaに挨拶をしよう。【クアラルンプール・マレーシア】

f:id:ttmsn:20160505123808j:plain朝起きたらまずは陽子とYumaに挨拶をしよう。陽子にはおはようございます、と。Yumaにはグッモーニン、と。Timは昨夜も体調がすぐれないと言っていたから、今日はまだ寝ているだろうと予想する。大丈夫かな。早くよくなるといいんだけど。

おはようと言ったら、次はシャワーを浴びよう。日本から持ってきたシャンプーと、トリートメント。オルビスの洗顔とドルツと歯磨き粉。ボディソープはシャワールームにあるけれど、私はそれには手を出さずに部屋から持ってきたフランジパニのソープを使う。ステイ1日目に「バリに行きたい気がする」と陽子に打ち明けたら、その夜出掛けたあとにはベッドの上にバリのソープを置いてくれていた。「あなたは呼ばれているのかもよ」とでも言うかのように。

シャワーを浴びたら、キッチンのウォーターサーバーから冷たい水を少しいただく。口に含んだら部屋に戻って、窓を開けようと思い立つ。外を見渡すと、クアラルンプールの喧騒が広がる。ブリックフィールズと呼ばれるリトル・インディアの世界。朝6時はまだ人影も、車も少ないけれど7時台ともなれば、自家用車が通り、バスが走り、バイクが行き交い、簡単な渋滞なんかが発生する道も出てくる。

KLセントラル駅から徒歩すぐの高層階コンドミニアム。38階建ての美しい建物は、窓がガラス張りの箇所が多くて光がよく入る。音も、光も、風も通る。リトル・インディアから吹いてくる風は、家の反対を抜けてKLCCの方に向かっていく。もとはジャングルだったというクアラルンプールの土地柄は、発展を続けているとはいえ、遠くまで見渡せばまだ緑が多く残る。

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今日はこれから、クアラルンプール最後の洗濯物をして、荷物を詰めて、私を見送るために向かいのマダムが作ってくれるというランチを5〜6名の陽子の友達と一緒に食べて、そしてKLセントラル駅からバスで空港まで向かう。飛行機は16:55発だから、15時には空港に着いていたい。とするとやはり14時のバスには乗らなければいけないから、13時半には家をでるつもりでいたほうがいいだろう。

バックパッカーでないといえども、仮にも長期旅行者だ。荷物はそこまで少なくない。重い荷物を持って出かけるのか、と溜息が出そうになるところに、「駅まで送って行ってあげる」と陽子が笑う。「いえそんな…」と言いそうになるけれど、ここまで甘えきっているひとに、下手な嘘はつけない。「重くてどうしよう…と思っていたんです。めちゃくちゃありがとうございます」と伝える。

陽子のやさしさは、日を追って身にしみるようにあたたかい。つい6日前にバングサ駅で催されたフラワーアレンジメントの会場で出会った見知らぬ日本人を、「そんな古いホテルに泊まっているなら、同じ駅だからうちにきなさい」と誘ってくれた、なんとも私にとってはマリアのような存在である。

陽子と息子のYuma、旦那さんのTimについては後日改めて書いたりするかもしれないし、灯台もと暮らしの記事やことりっぷの記事でも登場するだろうから、詳細は追々……。とりあえずいいひとだよ。

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窓を開けた部屋を、やっぱり今日もクアラルンプールの風とインドの雰囲気と、そして車とバイクの音が通り抜けていく。キッチンから食器の音がしてくる。見えないけれど、陽子がもしかしたら、コーヒーか、フレッシュジュースを作ってくれているのかもしれない。

日本から持参した海外対応のドライヤーを手にして、急いで髪を乾かすふりをする。別にこれ、途中だっていいんだ。だってここは1年中気温の高いクアラルンプール。ほっといてもそのうち乾くよ。8時に近付いて、空の青さがだんだん濃くなってきた。スマホを見ると、次に滞在するバリのチャングーのホストからメッセージが入る。「空港からのピックアップはいらない?」今回はAirbnbを使ってみることにした。数時間探したのちに、陽子に会うときのように写真でピンときたホテル?に、昨夜遅くにメッセージをしたら即返事がきた。

バリは二度目だ。クタでもレギャンでも、スミニャックでもなく、今回はそのさきのエリア・チャングーにまずは向かう。数泊したら、本来の目的地である、もっと内陸部の芸術と深い緑の街、ウブドに居を移そう。

それまではもう少し、クアラルンプールの雰囲気を楽しむ。もうすぐ朝の8時だ。

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